アクトタワーができるまで
浜松駅周辺の開発整備
浜松市は、浜松駅周辺の土地の有効利用と東西南北の均衡のとれた市街地形成を図るため、東海道本線と遠州鉄道線の高架化と国鉄の貨物ヤードの移転にあわせ、浜松駅周辺土地区画整理事業を実施した。
この浜松駅周辺の土地基盤整備は、高度成長期に入った昭和30年代に構想を開始し、完成を見るまでに30年あまりの期間を要した。
54年10月、市民の悲願だった東海道本線高架化事業が完成、そして60年12月には遠州鉄道線高架化事業が完成、62年3月には浜松駅周辺土地区画整理事業が完工した。
一方、高度技術化、国際化、情報化、産業構造の転換などが急速に進むなか、楽器、輸送用機器、繊維等の工業を中心に発展してきた浜松市にとっても、これまでの産業集積と活力を生かし、先端技術産業の育成や、ゆとりある生活環境の創造、交通拠点機能の整備など、産業と文化の調和した新しい都市づくりが必要となっていた。
特に駅前の広大な土地をどうするかは、21世紀の浜松を左右する大きな話題であった。「浜松の顔」にふさわしい都市空間はどのようなものか。浜松駅東街区の開発に当たって、まず、市民の声を反映させようと昭和63年に市民の各界・各層の代表者からなる「浜松駅東街区整備推進協議会」(平成2年アクトシティ整備推進協議会に名称を変更)を、次いで、建築、都市計画、コンベンションなどの専門家を中心とする「浜松駅東街区施設計画専門委員会」を設置し、具体的な開発の方針と手法を検討した。
方針は「音楽文化都市構想の拠点として大・中ホール、音楽情報発信機能を整備するとともに、テクノポリスやコンベンションシティ構想の都心部の拠点としてコングレスセンター(国際会議場)、展示イベントホール、ホテル、研修研究交流センターなど高次な都市機能を整備し、音楽文化機能が融合した文化の香り高い風格のある都市空間の形成を図るもの」と固まった。また、委員会は「東街区を活気ある新しい都心部にするためには民間施設が必要であり、民間の持つ優れたノウハウや民間資金の活用によって質の高い大規模な開発が可能となるため、街区全体を開発区域として市と民間が一体的な開発を行うものとする」との、民間活力の導入を提言した。
これを受けて、浜松市は、市と民間企業が協力して一体的な開発を行う「事業計画提案競技方式」を採用した。
この浜松駅周辺の土地基盤整備は、高度成長期に入った昭和30年代に構想を開始し、完成を見るまでに30年あまりの期間を要した。
54年10月、市民の悲願だった東海道本線高架化事業が完成、そして60年12月には遠州鉄道線高架化事業が完成、62年3月には浜松駅周辺土地区画整理事業が完工した。
一方、高度技術化、国際化、情報化、産業構造の転換などが急速に進むなか、楽器、輸送用機器、繊維等の工業を中心に発展してきた浜松市にとっても、これまでの産業集積と活力を生かし、先端技術産業の育成や、ゆとりある生活環境の創造、交通拠点機能の整備など、産業と文化の調和した新しい都市づくりが必要となっていた。
特に駅前の広大な土地をどうするかは、21世紀の浜松を左右する大きな話題であった。「浜松の顔」にふさわしい都市空間はどのようなものか。浜松駅東街区の開発に当たって、まず、市民の声を反映させようと昭和63年に市民の各界・各層の代表者からなる「浜松駅東街区整備推進協議会」(平成2年アクトシティ整備推進協議会に名称を変更)を、次いで、建築、都市計画、コンベンションなどの専門家を中心とする「浜松駅東街区施設計画専門委員会」を設置し、具体的な開発の方針と手法を検討した。
方針は「音楽文化都市構想の拠点として大・中ホール、音楽情報発信機能を整備するとともに、テクノポリスやコンベンションシティ構想の都心部の拠点としてコングレスセンター(国際会議場)、展示イベントホール、ホテル、研修研究交流センターなど高次な都市機能を整備し、音楽文化機能が融合した文化の香り高い風格のある都市空間の形成を図るもの」と固まった。また、委員会は「東街区を活気ある新しい都心部にするためには民間施設が必要であり、民間の持つ優れたノウハウや民間資金の活用によって質の高い大規模な開発が可能となるため、街区全体を開発区域として市と民間が一体的な開発を行うものとする」との、民間活力の導入を提言した。
これを受けて、浜松市は、市と民間企業が協力して一体的な開発を行う「事業計画提案競技方式」を採用した。
昭和40年代の浜松駅前
昭和50年代の浜松駅前
開発前の浜松駅東街区
提案競技の実施
平成元年8月に、浜松駅東街区開発事業計画の提案競技募集要綱を発表した。
具体的な施設条件としては、15-1街区に最大2,500人収容の大ホール(多機能ホール)、音楽指向の中ホール、国際会議や各種コンベンションに対応できるコングレスセンターを、また16街区には国際見本市や各種イベントが開催できる展示イベントホール、14街区には産業技術の研修・研究交流センターをそれぞれ提示した。民間活力を導入する15-2街区は、オフィスやホテル、商業文化施設などのほか音楽学院も盛り込まれた。
応募資格については、「民間施設街区(15-2街区)の土地権利を取得し、自ら事業経営を行い、かつ、市とともに、浜松駅東街区開発事業を推進し、実現することができる総合的な開発企画力と資本力を有する企業または企業グループとする」とし、この募集要綱を基に、市は8月11日に説明会を開催、提案競技をスタートさせた。
その後、①第一生命グループ〔第一生命保険(相)、三菱地所(株)、(株)ホテルオークラ、伊藤忠商事(株)、(株)UG都市設計、(株)日本設計、鹿島建設(株)、清水建設(株)、(株)竹中工務店の9社〕、②日本生命・住友生命グループ〔日本生命保険(相)、住友生命保険(相)、(株)日建設計、大成建設(株)、(株)大林組、飛島建設(株)の6社〕、③超高層都市研究株式会社の3グループが名乗りを上げ、提案締め切りの12月初めまでの3ヵ月半の提案競技に突入した。
具体的な施設条件としては、15-1街区に最大2,500人収容の大ホール(多機能ホール)、音楽指向の中ホール、国際会議や各種コンベンションに対応できるコングレスセンターを、また16街区には国際見本市や各種イベントが開催できる展示イベントホール、14街区には産業技術の研修・研究交流センターをそれぞれ提示した。民間活力を導入する15-2街区は、オフィスやホテル、商業文化施設などのほか音楽学院も盛り込まれた。
応募資格については、「民間施設街区(15-2街区)の土地権利を取得し、自ら事業経営を行い、かつ、市とともに、浜松駅東街区開発事業を推進し、実現することができる総合的な開発企画力と資本力を有する企業または企業グループとする」とし、この募集要綱を基に、市は8月11日に説明会を開催、提案競技をスタートさせた。
その後、①第一生命グループ〔第一生命保険(相)、三菱地所(株)、(株)ホテルオークラ、伊藤忠商事(株)、(株)UG都市設計、(株)日本設計、鹿島建設(株)、清水建設(株)、(株)竹中工務店の9社〕、②日本生命・住友生命グループ〔日本生命保険(相)、住友生命保険(相)、(株)日建設計、大成建設(株)、(株)大林組、飛島建設(株)の6社〕、③超高層都市研究株式会社の3グループが名乗りを上げ、提案締め切りの12月初めまでの3ヵ月半の提案競技に突入した。
第一生命グループ案は、「ACT CITY(アクトシティ)」と名付けられ、15-1街区には2,500 席の大ホール(多機能ホール)、1,000席の中ホール(音楽指向のホール)、国際会議を開けるコングレスセンターを、16街区には展示イベントホール、14街区には研修・研究交流センターを、15-2街区には、地上45階地下4階、高さ188m(後に212.77mに変更)の丸味を帯びた超高層ビル(アクトタワー)を、タワー上階は、ホテルオークラの都市型ホテルが予定された。
日本生命・住友生命グループ案は、「SYMPHONIC FOREST(シンフォニック フォレスト)」と名付けられ、第一生命グループのアクトシティ案と機能的、規模的に似た都市プランで、民間施設は地上50階、255m の超高層ビルをもち、ここにオフィス、ホテル、商業文化施設、音楽学院などを設置する内容だった。
超高層都市研究(株)案は、「AdvancedBuilding Complex(ABC)」と名付けられ、富士山をかたどった地上88階、365mの日本最大の超高層ビル案であった。
日本生命・住友生命グループ案は、「SYMPHONIC FOREST(シンフォニック フォレスト)」と名付けられ、第一生命グループのアクトシティ案と機能的、規模的に似た都市プランで、民間施設は地上50階、255m の超高層ビルをもち、ここにオフィス、ホテル、商業文化施設、音楽学院などを設置する内容だった。
超高層都市研究(株)案は、「AdvancedBuilding Complex(ABC)」と名付けられ、富士山をかたどった地上88階、365mの日本最大の超高層ビル案であった。
3グループの開発プランが提出されてから1ヵ月半後の平成2年1月20日、同提案協議審査委員会は「本事業の趣旨をよくとらえ、特に地域環境にもよく適合し、かつ、事業推進面においても確実性が高い」と最高の評価を下した第一生命グループ案を選考。
01 採用された第一生命グループ案
02 日本生命・住友生命グループ案
03 超高層都市研究㈱案
アクトシティ(浜松アクトタワー)の誕生
その後、4年10か月の期間を経て平成6年10月8日「アクトシティ」がオープンし、さらに翌年の平成7年4月に「楽器博物館」・「研修交流センター」がオープンした。
平成15年10月 民間施設である「浜松アクトタワー」を第一生命保険(株)、三菱地所(株)からORIXグループに売却し、現在に至る。
平成15年10月 民間施設である「浜松アクトタワー」を第一生命保険(株)、三菱地所(株)からORIXグループに売却し、現在に至る。
01 平成3年4月
02 平成4年8月
03 平成4年9月
04 平成5年2月
05 平成5年9月
06 現在